Specialインタビュー
素敵な山田マミさんと
おいしいワインのおはなしを
二子玉川 蔦屋家電のワインイベント『大人のワインのたしなみ方~私の時間を大切に~』が大人気の山田マミさんに、ワインについてのあれこれをうかがいました。
-ワインとの出合いを教えてください。
大学ではフランス語を専攻していました。大学の留学制度を利用して1年間フランスで暮らしたんです。と言っても都会ではなく、田園の風景が美しいのどかな地域。スイスとの国境で、山があって空があって、アルプスを臨める のどかなところ。そこでの1年間はあっという間、本当に幸せでした。
それから4年生で帰国、就職活動に乗り遅れてしまって(笑)、ソムリエのいるフレンチのレストランで働くことになりました。フランス語を生かして、ワインリストの作成を手伝うようになったことで、ワインの世界が広がっていきました。
-ワインの魅力、なんでしょう。
ワインは農作物。ブドウ畑から生まれます。それぞれの産地の日照時間や昼夜の寒暖差などによって、ワインの味は変化します。
収穫は年に1度。そのタイミングを見定めるのに、つくり手はとにかく神経を使います。「(収穫するなら)今だ」「いや、もう少し待とう」なんて、つくり手同士で、やり合うのですが、気候を見極めるにも、答えがないから、難しいんです。しかも、1年間食べていくための大きな決断、ナーバスになって当然ですね。
気候や風土で味が変わる。収穫は、答えのない世界、人間のドラマであり人間のロマンだと、心から思いました。
-ワインはかしこまった雰囲気がありますが、うかがっているとワインに対する見方が変わってきます。
ワインは自然の産物。楽しく味わうことが一番です。マナーは もちろん大事、ちゃんと意味があることですが、とらわれすぎると、ワインのおいしさ、楽しさが半減する場合もあります。
フランスのワイナリーで、冷えたワインがないから、氷を入れてしまう つくり手さんが、いらっしゃいました。本場のフランスでも、そういうことがあるんですよ(笑)。
カジュアルな雰囲気で飲むと「ワインを冒涜している!」なんてことを聞きますが、何を見て、どこを見て、ワインの正しいマナーと言ってしまうのか。
確かにグラスを回しながらワインを口に含み、ワインを語る。そんな「こだわり」に価値がある時代はありました。でも、それから、ワインの楽しみ方はどんどん変化しています。
ソムリエがいたら「おまかせ」にせず、「白が飲みたい」「すっきりしたものが飲みたい」など、自分の気持ちを伝えていいと思います。
「わからないから、そこはプロに」というより、気持ちをちゃんと伝えることをおすすめします。ソムリエはプロ、しっかり選んでくれますから、恥ずかしがらず、ドンドン伝えてください。
日本のワインを輸入するシステムは、めまぐるしく多様化しています。小規模なインポーターやこだわりのあるインポーターが増えて、カジュアルなワインバーがお目見えし、気軽に楽しむ文化ができあがってきました。ただ、ワイン人口は少ないんですけどね…。ワイン消費量は年間で3ℓくらい、750mlのボトルを年間に何本あけるかと考えると、まだまだ少ないですね。
-日本のワイン、いかがでしょう。
2020年の五輪に向けて、ジャパンメイドのワインが盛り上がっています。「フランスワインじゃなくちゃ」なんていう 固定観念から脱皮して、横顔の見えるワインも味わいましょう…の空気を感じます。畑の少ない東京や大阪には、ワインを醸造する 話題の「都市型ワイナリー」が登場して、ワインを楽しむことが、身近になっています。日本ワインが和食のテーブルの並ぶ機会も増え、日本ワインへの注目度は高まっていますよ。
-これからのこと、お聞かせください。
ワインの魅力は、本当にいろいろ。一人で楽しむのもよし、誰かと一緒に楽しむのもよし、赤ワイン、白ワイン、ワインはもう世界の共通語ですから、ワインがあれば話がはずみます。ワインアカデミーとかワインスクールにはない、ワインの楽しみ方を大事にしたいですね。
赤だから白だからと、縛られすぎると、ちょっともったいないことになりかねません。肉料理も魚料理もあるのに、ワインは赤しかないなんていうレストランも海外には、あります。
世界は広くて、ワインの楽しみ方は各国それぞれ、人それぞれなんです。非常識なんていうことはありません。そんなワインの魅力を伝えたいですね。
-二子玉川 蔦屋家電でのこれからを。
ワインをあける。その瞬間、心がフワッと広がっていく。その瞬間の幸せな気持ちを伝えたいと思います。
蔦屋家電には、ワインのイベントに30代から50代、60代の方が足を運んでくださいます。男性もいらっしゃいます。
女性のお客さまが100%を占めるワインイベントもありますから、二子玉川 蔦屋家電はいろんな方にご参加いただける場所と言えます。
昨年のスタート時から、一貫してテーマは「大人のたしなみ」。たしなみというのは、ドレスコードがあるとか、かしこまった雰囲気を楽しむとか、そういうことではなく、「自由なかんじでワインと出合いましょう」「ワインとの物語をつくりましょう」という意味で掲げたテーマです。
ワインの飲みかたは自由です。たとえば金曜日の夜、残業して帰宅して、ワインセラーからワインを選ぶと、気持ちがちょっと軽くなります。遅い夕食を、コンビニのお弁当やインスタントですませるのではなく、せっかくだから、一品つくってワインと一緒に楽しもう。音楽を聴いてみようとなると、特別な週末がはじまるでしょう。ワインとの物語をつくりましょう、自分だけの時間をつくりましょうという提案ですね。
普段づかいのワインなら、ワインセラーはそんなに高価なものでなくてOKです。冷蔵庫の温度はワインを保存するための温度ではありませんし、匂いうつりもあるので、ワインセラーはあるといいと思います。日本の夏が暑くなってきたことも、気になりますし。
何十年も自宅で寝かせることがなければ、気軽なワインセラーでOK、おうちにひとつあると、ワインの世界は広がります。
蔦屋家電の素敵な空間でワインを飲むだけでも、じゅうぶん素敵な時間ですが、さらにワインがつなぐこと、ワインで広がることをワインイベントをとおして、みなさんと一緒に、楽しくつくっていきたいですね。ぜひ、遊びにいらしてください。
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ワインに対する想いが一気に変わったインタビューとなりました。「気取って」「かしこまって」も素敵ですが、「みんなで楽しく」「一人で気軽に」も素敵です。
山田さんのお話をうかがっていると「ワインを買って帰ろうかしら」と、ワクワクしてくるから不思議です。
ワインを飲む時間は、ワイン博士になるための時間ではなく、楽しむための時間だと、やさしく教えていただいた気がします。山田さん、ありがとうございました。
山田マミ
プライベートソムリエール。La coccinelle代表。
フレンチレストランの店長、ワインインポーター、webワインショップのライター等を経て、2011年、プライベートソムリエールとして独立。2015年から二子玉川 蔦屋家電のワインイベントを担当する。
しなやかでたおやか、やわらかい雰囲気とワインに対する明確な想いが心地いい。
フランス映画を観ているような洗練された瑞々しい空気が広がり、晴れやかな笑顔に癒やされる。二人のお嬢さまとの幸せな会話が、今にも聞こえてきそう。
http://www.lacoccinelle-vin.com/#!profile/c46c
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